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天使の石?



 旅先などで石ころを拾うことを趣味にしています。お金もかからず、手軽に入手できるので、持ち帰って思い出の品としています。

 

 写真の石は、わかりにくいかもしれませんが、上部にきれいな白い円が浮き出しています。私はこれを天使の頭上の輪っかになぞらえて、大切にしています。昨年、京都の寺の境内で拾ったものです。どこの寺かは忘れてしまいました。

 

 数年前に『いい感じの石ころを拾いに』という題の文庫本を読みました。宮田珠己著、中公文庫です。

 

 題名の通りゆるい感じの本です。筆者が編集の武田氏と謎の奇岩ガールとともに、名所的な海岸に出かけて石ころを拾うというバカバカしい内容。その間に、その道のプロ(石集めの熱烈愛好者)にインタビューした記事が挟まります。当初、石拾いに大した興味のなかった?筆者でしたが、東京ミネラルショーという石の即売会に出かけて、石を多数買い込む有様となります。巻末には、本文で話題になった石の写真がカラーで紹介されているので、見ているとその気にさせられます。石拾いスポットマップなるものも掲載されています。

 そのへんに転がっている何でもない石ころに、太古の地球を思い、宇宙とのつながりを感じ、隠された内部を思い浮かべ、美を発見するという石ころ拾いは、なかなか素晴らしいことのように思えてくるから不思議です。基本的にお金はかからず、飽きることなく無心で石を探す行為は、なかなか哲学的なものかもしれません。いくらタダといっても、たくさん拾えば重すぎ、持ち帰っても置き場に困ります。したがって、その都度取捨選択しなければなりません。何を基準に選ぶか、どこに美を見出すかといった審美眼が問われ、決断が迫られます。たかが石拾いと馬鹿にできない所以(ゆえん)でしょう。

 

 今思えば、あの本が、私の趣味のきっかけを作ったのかもしれません。